サイボウズ株式会社

「あれっ、お疲れさまって言い過ぎじゃない?」──スイス人が日本の会社で思うこと

この記事のAI要約
Target この記事の主なターゲット
  • 外国人として日本の企業で働いている人
  • 日本文化に興味のある人
  • ビジネスにおける異文化コミュニケーションに関心がある読者
Point この記事を読んで得られる知識

このエッセイでは、スイス出身のアレックスがサイボウズという日本の会社で働く中で感じた、日本の職場文化や言葉づかいに関する戸惑いや気づきをシェアしています。日本では、社内で頻繁に使われる「あれっ?」という疑問を例に、まずは社会人として必須とされる尊敬語や敬語の使用に関する難しさが挙げられています。母語でない言語で正しい敬語を自然に使うことが難しいため、時には失敗することもあることが述べられています。

さらに、「お疲れ様です」といった挨拶が日常的にあらゆる場面で使われることへの戸惑いも語られています。日本語学校で習った通り、当初は仕事の後に使うものと考えていたため、日中に同僚から言われると疑問を感じたものの、実際には日本の職場文化では単なる挨拶として広く使われていることを理解しています。

また、日本人の多様性に対する誤解も取り上げられています。採用面接での質問を通じて"日本企業には多様性が少ない"と思っていたものの、実際に働いてみると同僚たちの個性やバックグラウンドの多様性を認識するようになりました。この経験を通じて、日本人にも独自の多様性があることがわかったとしています。

さらに、ヨーロッパ文化についての偏見や誤解もあることが一例として挙げられ、異文化間理解の重要性が示唆されています。

Text AI要約の元文章
サイボウズ

「あれっ、お疲れさまって言い過ぎじゃない?」──スイス人が日本の会社で思うこと

2018年の11月にサイボウズに入社したアレックスと申します。スイス出身です。よろしくお願いいたします。

……という自己紹介は、そのまま日本語学校で覚えたものです。就職活動では、尊敬語、謙譲語、ビジネスマナーなどが必要になると聞いたので、フラッシュカードやYouTubeで毎日寝る前に練習しました。そして、同じシェアハウスに住んでいる日本人のハウスメイトにも「日本で働くのはどんな感じ?」と聞いていたので、なんとなく日本で働くイメージは、頭の中にありました。

しかし、いざサイボウズに入社してみると、教わったイメージと違っていて「あれっ?」と思うことが何度もありました。この連載では、「サイボウズでの会社員生活」で得た気づきを、外国人視点でお伝えしています。サイボウズに入社したスイス人の観察記、第3回です。

日本人に勝手なイメージを持っていたけど、実際は違って「あれっ?」

アレックス
サイボウズの面接を受けた時に、「サイボウズの多様性についてどう思いますか」と聞かれました。そのときは、「社員の大半は日本人だろうから、多様性はあまりないんじゃないかな」と思っていました。

でも、入社してたくさんの同僚と仲良くなるにつれて、みんなそれぞれに個性があって、さまざまな性格や趣味、経歴を持っているのだとわかってきました。日本人には日本人なりの多様性があるんですね。

一方、いまだに日本人の方から、「ヨーロッパの人はみんなジャガイモが好きなんですか?」ときかれることがあります。ヨーロッパの多様性についても知ってもらえたらうれしいなと思います(笑)。

正しい敬語を使いたいと思っているけど、「あれっ?」

アレックス
敬語はなかなか自然に使えません。上司に対して「タメ口」で話してしまったり、友人に対して敬語を使ってしまったり。

母語じゃないと、言葉づかいにはかなりのエネルギーを使うし、間違えてしまうことがよくあります。日常的に敬語を使うのはほとんどあきらめましたが、もしカジュアルに話しすぎてしまったら、お許しください!

会社で、「お疲れ様です!」って言い過ぎて「あれっ?」

アレックス
「お疲れ様です」は、仕事が終わったら使う表現だと日本語学校で習いました。1日仕事を頑張ると疲れるから、仕事終わりに「お疲れ様です」と言うのだと思っていました。

なので、働き始めたころは、朝に職場に着いたばかりのときや、トイレで同僚と会ったときに「お疲れ様」と言われると、「なんで? 何に疲れたんですか?」とよく思っていました。同僚に疑問をぶつけたところ、「ただの挨拶ですよ。考えすぎなくて大丈夫」との答え。そのときから、「お疲れ様です」を、わたしもさまざまな場面で使うようになりました。

さて、これで第3話が終わります。お疲れ様でした。

マンガ:夕海 編集:アレックス

2019年3月12日「あれっ、日本人のカタカナ英語ってヘンじゃない?」──スイス人が日本でのコミュニケーションで難しいと思うこと
2019年2月 5日「あれっ、日本語学校で教わったことと違うじゃん!」──スイス人がサイボウズの面接を受けて感じたこと

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執筆

イラストレーター

夕海

日本大学芸術学部美術学科を卒業後、フリーランスでの活動を開始。講談社にて『三瓶先生の時間』が第2回THE GATE奨励賞、『ひみつの花園さん』が第69回ちばてつや賞大賞受賞。オリジナルデザインのTシャツ等も販売中。

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